インターンが終わると、いよいよ就職活動が始まります。
「どんなお店で働きたいか」「自分に合う職場ってどんなところだろう?」パン職人を目指す人なら、きっと一度は悩むテーマだと思います。
この記事では、私が実際に就職活動を通じて感じた迷いや学び、そして見つけた“自分の軸”についてお話しします。
インターンの学びを胸に、就職活動へ
10日間のインターンでは、日々の学びの中で「自分はどんなパン屋に就職したいか」じっくり考えるいい機会になりました。
先輩方からお話を伺ううちに、大きな企業で働くという選択肢も視野に入れるようになりました。大きな会社ほど労働環境が整っていると教えていただき、実家がパン屋という環境で育った私は、その言葉に強く惹かれました。朝日が昇る前から夜遅くまで働く両親の姿を見てきたからこそ、「整った労働環境」というのはとても魅力的に感じたのです。
一方で、個人店で働く良さについても多くの学びがありました。小さいお店ほどシェフのこだわりや想いが反映されやすく、シェフと近い距離で働ける分、学びの密度が高いのは個人店ならではの魅力です。しかし当時は、労働環境が十分に整っていないお店も多く、日々の忙しさに不安を感じることもありました。
そんな中で私は改めて考えました。「自分がどんなパン職人になりたいのか」「いずれ自分のお店を持ちたいのか」「組織の中で職人として成長していきたいのか」
一度立ち止まり、自分の“ゴール”を見つめ直すことで、“目先の就職”ではなく、“将来の自分に必要な経験ができる職場”を軸に就職先を選ぼうと決めました。
“憧れ”ではなく“軸”で決めた就職先
こうして本格的に、私の就職活動が始まりました。基本的には学校に届く求人票の中から探すのが一般的でしたが、自分で気になるお店や企業を探してアポイントを取ってもいいということだったので、時間を見つけては気になるパン屋を調べていました。
そうして情報を集めながら考えていく中で、全国展開しているような大企業に勤めるという選択肢は自分に合わないと感じました。最終的には個人店への就職も検討しましたが、当時26歳だった私にとって、シェフのもとで長期的に修行を積むという働き方は現実的ではないように思えました。
そんな時、一つの求人に目が留まりました。小規模ながら地域に根ざしてパン屋を展開している企業で、すべての生地をオールスクラッチで仕込み、主要なフィリングも手作りというお店でした。さらに調べると経営面や店舗管理、数字の見方なども学べる環境が整っていることを知りました。
「ここなら、パン職人としての技術だけでなく、将来に活かせる経験を幅広く積めるかもしれない。」そう感じた私は、この企業に就職したいという気持ちを強く固めました。
迷いの中で見つけた、自分なりの答え
クラスの仲間、特に仲の良かった友人は県外へ就職するという決断をしていました。周りが次々と新しい環境へ踏み出していく中で、正直、迷いもありました。それでも「自分の中の軸で選んだ道なら、胸を張って進もう」と決意を固めました。どんな道を選んでも、結局その先でどう行動するかが自分をつくっていく。ーー自分の道をつくるのは、やはり自分自身だと強く感じました。
この就職活動を通して、「誰かに勧められたから」や「みんながそうしているから」ではなく、“自分が納得できる選択をする”ことの大切さを学びました。迷いながらも、自分の手で道を選び取ったこの経験が、パン職人として歩み出す大きな一歩になりました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は就職活動での迷いから、就職先を決めるまでのリアルな想いを書きました。この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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